ネット回線の解約金のルール|制度改正の上限と契約前の確認ポイント

ネット回線の解約金のルール

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「転勤や引っ越しがあるかもしれない。途中で解約したら、いくらかかるのか分からない」。光回線やホームルーターの契約を前に、こんな不安を持つ方は少なくありません。

以前は、2年契約の途中で解約すると1万円を超える解約金がかかる例もありました。現在は2022年7月の制度改正で、個人向けの主な通信サービスの解約金に上限が設けられています。

この記事は、数年以内に引っ越しや転勤の可能性があり、「解約するときの負担」を契約前に知っておきたい方に向けて、総務省や国民生活センターの情報をもとに整理しています。

この記事でわかること

  • 2022年7月の制度改正で決まった解約金と工事費の残りの上限
  • 2022年6月以前に結んだ契約(既往契約)が新ルールに移る時期
  • 契約前に確かめたい費用と、短期利用向けの選択肢

結論:解約金の上限は「月額料金1か月分」。工事費の残りや端末代は別

先に結論をまとめます。

  • 2022年7月1日以降の個人の契約では、期間拘束(2年契約など、決まった期間の利用を約束する契約)の解約金は月額料金1か月分相当までに制限されています。
  • 工事費の分割払いが残っている場合は、その残り(残債)を請求されることがあります。ただし利用期間に応じて減っていく上限額が決められています。
  • 2022年6月30日以前の契約は経過措置の対象でしたが、2025年7月以降の更新などで順次新ルールに移り、経過措置は2028年6月末で完全に廃止されます。
  • 購入した端末の分割代金は、解約金とは別のお金です。解約しても支払いが残る場合があります。

つまり「解約金そのもの」は小さくなりましたが、解約時に払う合計額は、工事費・端末代・機器の返却条件で変わります。契約前に、これらをまとめて確認しておくのがポイントです。

2022年7月の制度改正で何が変わった?

総務省は電気通信事業法施行規則(通信サービスの契約ルールを定めた省令)を改正し、2022年7月1日に施行しました。主な内容は、期間拘束契約の違約金などの制限と、利用者が遅滞なく(すぐに)解約できるようにする措置の義務化です。

対象になる契約

対象は、光回線や携帯電話など、法律で定める主な通信サービスの契約です。法人契約は対象外です。2022年7月1日以降に結んだ個人の契約が対象で、それより前の契約には経過措置(新ルールの適用を一定期間猶予する仕組み)が設けられました。

解約時に請求できるお金の上限

解約時に事業者が請求できるのは、おおむね次の合計までと定められています。

  • 解約までに使ったサービスの料金(未払い分)
  • 違約金の定めがある場合は、そのサービスの1か月分の料金相当額
  • 開通工事費のうち、利用期間に応じて減らした額
  • レンタル機器を返さない・壊した場合の費用など

なお、違約金の「1か月分」を割引前の基本料金で計算すると明記している事業者もあります(例:ソフトバンク、おきらくホームWi-Fi)。キャンペーンで月額が安くなっていても、解約金は割引前の金額になることがある点に注意してください。

工事費の残りは利用期間に応じて減る

「工事費実質無料」などのキャンペーンでは、工事費を分割で請求し、同じ額を毎月割り引く形がよく使われます。途中で解約すると割引が止まり、工事費の残りを請求されることがあります。

制度改正後は、この残りにも上限があります。総務省の資料では、「(契約期間の月数-利用月数)÷契約期間の月数」と「(24-利用月数)÷24」のうち高い方の割合を工事費に掛けた額までとされています。期間拘束のない契約などは、24か月を基準に計算します。

ソフトバンクの公式サイトには、SoftBank 光の2年プランを15か月で解約した場合の例が載っています。

  • (24-15)÷24=0.375
  • 工事費47,520円(税込)×0.375=17,820円(請求上限額)

利用月数の数え方(開通月を含めるかなど)は事業者ごとに決まっています。工事の内容や費用の目安は光回線の工事とは|内容・日数・立ち会いの有無と工事費の目安で解説しています。

解約の手続きもしやすくなった

改正では、利用者が遅滞なく解約できる措置をとることも事業者に義務づけられました。総務省の資料では、ウェブでの解約、十分なオペレーターを配置した電話窓口、解約の予約などが想定例として挙げられています。

解約時にかかるお金の整理

費用の種類 制度改正後のルール 契約前の確認ポイント
解約金(違約金) 月額料金1か月分相当が上限 割引前の料金で計算されるか
工事費の残り(残債) 利用期間に応じて減る額が上限 工事費の総額と分割回数
解約月までの利用料 使った分は請求される 日割りの有無
レンタル機器 返さない・壊した場合は請求あり 返却方法・送料・損害金
購入した端末の代金 通信契約とは別に扱われることが多い 分割の残りの扱い

2022年6月以前の契約は?既往契約の扱い

2022年6月30日時点ですでに結ばれていた契約は「既往契約」と呼ばれ、当分の間は新ルールの対象外とされてきました。古い契約のままだと、以前の高い解約金が残っていることがあります。

総務省は2024年4月に省令を改正し、経過措置を終わらせる時期を明確にしました。

  • 2025年7月1日:期間拘束のない既往契約などの経過措置を廃止。2025年7月以降は、既往契約を同じ条件で更新することも認められなくなりました。
  • 2028年6月末:経過措置を完全に廃止。

実際の移り方は事業者によって異なります。たとえばソフトバンクは、2025年7月1日以降に固定通信サービスの契約が自動更新されると新ルールの「適用対象」になり、自動更新のない契約や2028年6月30日までに自動更新されなかった契約は、2028年7月1日に一斉に切り替えると案内しています。

同社の公式サイトでは、SoftBank 光(2年自動更新・ファミリー)の解除料は、適用対象者以外が10,450円、適用対象者が5,720円です(いずれも税込)。2026年12月1日の料金改定後は、適用対象者の解除料が6,050円になります(適用時期は契約期間の満了月によって異なります)。

数年前に契約した回線を解約・乗り換えする予定がある方は、自分の契約が適用対象かどうかを契約先に確認しておくと安心です。引っ越しにともなう解約や移転の順番は引っ越し時のネット回線の手続き|解約・移転・新規の順番と注意点にまとめています。

契約直後なら「初期契約解除制度」もある

光回線などには、初期契約解除制度(契約後の一定期間なら、解約金なしで契約をやめられる仕組み)があります。国民生活センターによると、契約書面を受け取った日を初日として8日目までに、契約を解除する旨の書面を出せば、中途解約の違約金を負担せずに解除できます。

ただし、次の費用は支払いが必要です。

  • 契約事務手数料
  • 解除までに利用した通信料金
  • 工事が行われた場合の工事費

工事費と事務手数料には上限額が定められています。また、通信サービスと一緒に買った端末は対象外です。店舗や通信販売で契約した移動通信サービスでは、総務大臣が認定した「確認措置」という別の仕組みが設けられている場合もあります。

国民生活センターは2026年7月、光回線の電話勧誘によるトラブルが増えているとして注意を呼びかけました。光回線の相談のうち、電話勧誘によるものが約6割を占めるとしています。電話で勧誘を受けたときは口頭の説明だけで決めず、説明書面で料金や解約金を確かめてから判断しましょう。困ったときは消費者ホットライン「188」に相談できます。

契約前に確認したい6つのポイント

  1. 契約期間と自動更新の有無:2年契約か縛りなしか、更新月はいつか。
  2. 解約金の金額と計算方法:月額1か月分相当か、割引前の料金で計算するか。
  3. 工事費の総額と分割回数:「実質無料」の条件と、途中解約時の残りの扱い。
  4. 端末は購入かレンタルか:購入なら分割の残り、レンタルなら返却条件。
  5. 解約月の料金と返却費用:日割りの有無、返却の送料、破損時の損害金。
  6. 解約の方法:ウェブで手続きできるか、受付の締め日はいつか。

1〜2年以内に引っ越す可能性がある方は、月額の安さだけでなく「解約したら合計いくらか」で比べるのがおすすめです。工事不要のホームルーターはホームルーター比較|工事不要3社の料金・特典【2026年10月】でも比べています。

短期利用の可能性があるなら:縛りなし・レンタル型という選択肢

工事費や端末代の残りが気になる方は、工事不要で端末をレンタルするホームルーターも候補になります。ここでは、解約時の条件が公式サイトに明記されている例として、おきらくホームWi-Fiを紹介します。

おきらくホームWi-Fiの特徴

  • コンセントに挿して使うホームルーターで、開通工事は不要
  • 端末はレンタルで、端末代は0円
  • 2年契約プランと縛りなしプランがあり、縛りなしプランは解約金0円
プラン(端末) 1〜6か月目 7か月目以降 途中解約時の解約手数料
2年契約(MR600・SoftBank回線) 税別3,700円 税別3,900円(税込4,290円) 24か月以内は月額料金1か月分
2年契約(5G L13・WiMAX回線) 税別4,000円 税別4,200円(税込4,620円) 24か月以内は月額料金1か月分
縛りなし(MR600・SoftBank回線) 税別4,000円 税別4,200円(税込4,620円) 0円
縛りなし(5G L13・WiMAX回線) 税別4,300円 税別4,500円(税込4,950円) 0円

いずれも月額料金で、2026年10月時点の公式サイトの表示です。契約時に別途、契約事務手数料3,000円(税込3,300円)がかかり、料金の日割りはありません。2年契約プランは、機器発送月を含む24か月以内に解約すると月額料金1か月分(割引キャンペーンは考慮しない)の解約手数料がかかり、25か月目以降は0円です。

向いている人

  • 1〜2年以内に引っ越しや転勤の可能性がある人
  • 工事費や端末代の残りを気にせず解約したい人
  • 自宅で問題なく使えるか試してから続けるか決めたい人

注意点

  • 電波を使うため、設置場所や周囲の環境で通信速度が変わることがあります。
  • 縛りなしプランは、2年契約プランより月額が高く設定されています。
  • 返却した機器に故障・破損・汚損があると、あんしん補償(月額550円・税込)に未加入の場合は機器損害金がかかります。返却の送料も公式サイトで確認してください。
  • 機器の到着日を含む14日間の「お試しキャンペーン」があり、つながらない・極端に遅い場合は月額利用料や解約手数料なしで解約できます。適用条件は公式サイトで要確認です。

詳しい特徴はおきらくホームWi-Fiの特徴|レンタル型ホームルーターの料金と注意点でも解説しています。

おきらくホームWi-Fiの公式サイトを見る

よくある質問

Q. 解約金が月額1か月分より高く請求されたら?

まず請求の内訳を確認しましょう。工事費の残り、端末代、解約月までの利用料など、解約金とは別の費用が含まれている場合があります。2022年6月以前の契約で、まだ新ルールの適用対象になっていない可能性もあります。納得できないときは契約先に説明を求め、解決しない場合は消費者ホットライン「188」に相談できます。

Q. 2022年6月以前に契約した回線は、いつ新ルールになりますか?

2025年7月以降に契約が更新されると、新ルールの適用対象になります。経過措置は2028年6月末で完全に廃止されます。具体的な切り替え時期は事業者や契約内容で異なるため、契約先の案内で確認してください。

Q. 「工事費実質無料」なら、途中で解約しても工事費はかかりませんか?

かかる場合があります。分割払いの工事費を毎月の割引で相殺する仕組みでは、解約すると割引が終わり、残りを請求されることがあります。ただし、その額は利用期間に応じて減る上限額までです。

Q. ホームルーターも解約金は1か月分までですか?

ホームルーターでも、解約金を月額1か月分相当にしているサービスがあります。たとえばソフトバンクはSoftBank Airも適用対象に含め、解除料を基本料金の1か月分相当にしています。サービスごとの扱いは、各社の公式サイトや契約書面で確認してください。キャンペーンの受取条件まで比べたい方はSoftBank Airのキャンペーン・キャッシュバック窓口比較【2026年10月】|受取条件と12月の料金改定も参考になります。

まとめ

ネット回線の解約金は、2022年7月の制度改正で月額料金1か月分相当が上限になりました。工事費の残りにも利用期間に応じた上限があり、2022年6月以前の既往契約も、2025年7月以降の更新などで順次新ルールに移っています。

一方で、解約時の負担は解約金だけでは決まりません。工事費の残り、端末代、レンタル機器の返却条件まで含めて、契約前に「解約したら合計いくらか」を確認しておきましょう。引っ越しや転勤の予定が読めない方は、縛りなし・レンタル型のホームルーターも選択肢になります。

おきらくホームWi-Fiの公式サイトを見る

出典

情報は2026年10月時点の各社公式サイト・公的機関の情報に基づきます。最新情報は公式サイトでご確認ください。