在宅ワーク向けネット回線の選び方|上り速度・安定性とWeb会議の目安

在宅ワーク向けネット回線の選び方

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「Web会議で、自分の映像だけ固まってしまう」「画面を共有した途端に声が途切れる」。在宅勤務が増えると、ネット回線の弱点が仕事の場面で目立つようになります。

この記事は、週に数日在宅勤務をしていて、ZoomやTeamsでの会議が多い会社員の方に向けて書いています。回線を選び直すときに見るべき「上り速度」と「安定性」の考え方を、2026年10月時点の公式情報をもとに整理しました。

この記事でわかること

  • Web会議に必要な通信速度の目安(Zoom・Microsoft Teamsの公式の推奨値)
  • 在宅ワーク向けにネット回線を選ぶときの5つの基準
  • NURO 光とGMO光アクセスの料金・速度・契約条件の比較

結論:「上り速度」と「安定性」を重視し、まずは光回線を検討する

在宅ワークでは、動画を見るときと違い、自分の映像・音声・画面をこちらから送り続けます。そのため、下り(ダウンロード=受信)だけでなく上り(アップロード=送信)の速度が大切です。

Web会議ツールが公式に示す推奨帯域(快適に使うために必要な通信量の目安)は、1台あたり数Mbps程度です。大事なのは、その速度が時間帯を問わず安定して出ることです。

工事ができる住まいなら、次の順番で検討するのがおすすめです。

  1. 電波を使うホームルーターより、建物に光ファイバーを引き込む光回線を優先する
  2. 上りの最大速度・接続方式(IPv6)・建物の配線方式を確認する
  3. 会議に使うパソコンは有線LANでつなぎ、ルーターの設定も見直す

在宅ワークで「上り速度」が大事な理由

ネット回線の速度には、データを受け取る「下り」と、データを送る「上り」があります。動画視聴やWebサイトの閲覧は主に下りを使いますが、Web会議ではカメラの映像や声を相手に届けるため、上りも同じように使います。

上りが足りないと、相手の映像は見えるのに「自分の映像だけ止まる」「声が遅れて届く」といった症状が出やすくなります。

Web会議に必要な帯域の目安(公式の推奨値)

主なWeb会議ツールの公式ドキュメントに掲載されている推奨値は、次のとおりです。

ツール 利用シーン 推奨帯域(上り/下り)
Zoom 1対1のビデオ通話(720p HD) 1.2Mbps/1.2Mbps
Zoom グループビデオ通話(720p HD) 2.6Mbps/1.8Mbps
Zoom グループビデオ通話(1080p HD) 3.8Mbps/3.0Mbps
Zoom 音声のみ(VoIP) 60~80kbps
Microsoft Teams ビデオ(一対一) 1,500kbps/1,500kbps
Microsoft Teams ビデオ(会議) 2,500kbps/4,000kbps
Microsoft Teams 画面共有(会議) 2,500kbps/2,500kbps

※Zoomは公式サポートの「システム要件」、Teamsは「Teams 用に組織のネットワークを準備する」に掲載の推奨値です。Zoomの音声のみの値は上り・下りの区別なしの表記です。1,000kbps(キロビット毎秒)が1Mbps(メガビット毎秒)にあたります。

Microsoftは、これらの値を1台の端末(エンドポイント)あたりの目安としています。家族が同じ時間に動画を見たり、オンライン授業を受けたりする家庭では、その分の余裕も必要です。

在宅ワーク向けネット回線の選び方|5つの基準

1. 回線の種類:工事ができるなら光回線を優先

ホームルーター(コンセントに挿すだけで使える置き型のWi-Fi)やポケット型Wi-Fiは、スマホと同じモバイル回線の電波を使うため、建物の構造や周りの混雑で速度が変わりやすい面があります。

毎日長時間の会議がある人は、光回線を第一候補にしましょう。工事ができない住まいの場合は、工事不要のWi-Fiの選び方|ホームルーター・WiMAX・ポケット型で選択肢を比べられます。

2. 上りの最大速度を確認する

光回線の案内ページには「下り最大◯Gbps」と大きく書かれていることが多く、上りの数字は目立ちません。申し込む前に、上りの最大速度が明記されているかを確かめましょう。

なお、表示される最大速度は「ベストエフォート」(技術規格上の最大値で、実際の速度を保証するものではない)で、実際の速度は時間帯や宅内の機器で変わります。

3. 接続方式:IPv6(IPoE)に対応しているか

IPv6(IPoE)は、従来のPPPoE方式とは異なる接続方式で、夜間などの混雑対策として案内されることが多い方式です。仕組みと確かめ方は光回線が遅いときの確認ポイント|IPv6・ルーター・配線の見直し方で解説しています。

ただし、在宅ワークでは注意点もあります。たとえばGMO光アクセスの公式ページでは、IPv6の接続サービス「v6プラス」で利用できないものとして、固定IPサービスやPPTP(VPNの方式の一つ)、特定のポートを使う通信などを挙げています。会社のVPN(社内ネットワークに安全につなぐ仕組み)の方式によっては影響するため、会社の情報システム担当に、VPNの方式と固定IPの要否を確認しておくと安心です。

4. マンションは建物の配線方式を確認する

マンションでは、建物内の配線が電話線を使う「VDSL方式」だと、回線の最大速度が出ないことがあります。GMO光アクセスの公式ページにも、VDSL利用時などは最大1Gbpsの速度が出ない場合がある旨が記載されています。確かめ方はマンションの光回線がVDSLか確かめる方法|光配線との違いと対処法をご覧ください。

5. 宅内の環境:有線LANとルーターの安全設定

会議に使うパソコンは、できればLANケーブルで有線接続しましょう。

総務省の「中小企業等担当者向けテレワークセキュリティの手引き(チェックリスト)」では、無線LANルーターのセキュリティ方式に「WPA2」または「WPA3」を使い、暗号化パスワードを推測されにくいものにすることが挙げられています。あわせて、テレワークで使うネットワーク機器は、メーカーのサポートが終了した製品を使わず、最新のファームウェア(機器を動かすソフト)を適用することも求められています。

在宅ワークで検討しやすい光回線2社の比較表

ここでは、上りの最大速度が公式に明記されているNURO 光と、NTT東日本・西日本のフレッツ光エリアで使えるGMO光アクセスを比べます(2026年10月時点、金額はすべて税込)。

項目 NURO 光 GMO光アクセス
回線 ソニーが提供する光回線 NTT東日本・西日本のフレッツ光回線を使う光コラボ
提供エリア 21都道府県(10ギガは25都道府県)。いずれも一部エリアを除く NTT東日本・西日本のフレッツ光の提供エリア
最大速度(下り/上り) 2.5Gbps/1Gbps(10ギガは10Gbps/10Gbps) 下り1Gbps(上りは公式ページに記載なし)。10ギガプランもあり
月額料金(戸建て) (H)プラン:月額基本料金5,170円+ホームゲートウェイ550円。2年割適用時の支払いは1~24か月目4,530円、25か月目以降5,720円 1ギガ ファミリー:4,818円(10ギガは5,940円)
月額料金(マンション) (M)プラン(40戸以上):月額基本料金4,180円+550円。2年割適用時の支払いは1~24か月目3,530円、25か月目以降4,730円 1ギガ マンション:3,773円(10ギガは5,940円)
Wi-Fiルーター ホームゲートウェイ(Wi-Fiルーター機能付きの宅内機器)550円/月 1ギガは無料レンタル(条件あり)
工事費 基本工事費55,000円(36回分割、同額の割引で実質無料) 新規の場合、戸建て26,400円・集合住宅25,300円など(36回分割、36か月利用で実質0円)
契約期間・解約時 36か月(自動更新)。期間中の解約は契約解除料((H)プラン3,643円など) 36か月だが、解約違約金はなし
事務手数料 契約事務手数料6,050円 3,300円

※どちらも、工事費の分割期間中に解約すると残りの工事費をまとめて請求されます。NURO 光の2年割適用時の金額は、ホームゲートウェイ料金と工事費相当の割引を含む公式の支払いイメージです。

NURO 光の公式サイトを見る

GMO光アクセスの公式サイトを見る

NURO 光の特徴|上りの最大速度まで明記

NURO 光は、ソニーが提供する光回線です。通常プランは下り最大2.5Gbps・上り最大1Gbps、「NURO 光 10ギガ」は上下とも最大10Gbpsと、公式の料金・スペックページに上りの最大速度も記載されています。

向いている人

  • 提供エリア内に住んでいて、上りの速度も重視したい人
  • 動画や設計データなど、大きなファイルを頻繁にアップロードする人
  • 家族も同じ時間帯にネットをよく使う人

注意点

  • 提供エリアは一部の都道府県に限られます。まずは公式サイトで住所を入力して確認しましょう。
  • 戸建てと39戸以下の集合住宅は(H)プランで、宅内・屋外の2回の工事があります(40戸以上の(M)プランは宅内工事のみ)。プランは住所・建物情報から自動で判定され、自分では選べません。
  • 契約期間は36か月の自動更新です。契約期間満了月を含む3か月間(無料解約期間)以外に解約すると、契約解除料がかかります。
  • 公式サイトでは、2026年9月以降の解約ではONUなどのレンタル機器を自分で発送して返却し、送料は利用者負担(平均1,450円)と案内されています。

エリアや工事の流れは、NURO 光の特徴|提供エリアと開通工事の流れ【2026年10月】で詳しく解説しています。

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GMO光アクセスの特徴|フレッツ光エリアで使えて解約違約金なし

GMO光アクセス(GMOとくとくBB光)は、NTT東日本・西日本のフレッツ光回線とGMOとくとくBBのプロバイダをひとつにまとめた光コラボ(光回線とプロバイダのセット)です。公式ページによると、IPv6の接続サービス「v6プラス」をオプション料0円で標準提供しています。

向いている人

  • NURO 光の提供エリア外に住んでいる人
  • 今フレッツ光や他社の光コラボを使っていて、転用・事業者変更(今の光回線設備を使った乗り換え)を考えている人
  • 引っ越しなどの可能性があり、解約違約金を気にせず契約したい人

注意点

  • 公式ページの最大速度は下り1Gbpsの表記で、上りの最大速度は書かれていません。上りを重視する人は、申し込む前に問い合わせて確認しましょう。
  • 会社のVPNを使う人は、前述のv6プラスの利用制限を事前に確認しましょう。
  • 無料レンタルのWi-Fiルーターは整備済み品(リファービッシュ品)で、36か月以内に解約した場合は返却が必要です。返却しないと端末損害金(1ギガは11,000円)がかかります。
  • 申込ページのキャッシュバックは、乗り換えの有無やオプションの申し込みで金額が変わります。開通月を1か月目として11か月目に基本メールアドレス宛てに届く「ご指定口座確認のご案内メール」から口座を登録すると、登録の翌月末に振り込まれます。他社の解約金を補填する特典は、申込完了メールにある専用フォームからの申請も必要です。

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回線を変える前に見直したいこと

今の回線のままでも、会議に使うパソコンを有線LANでつなぐ、ルーターを新しくするなど、宅内の環境を見直すだけで改善する場合があります。朝と夜など時間帯を変えて上り・下りの速度を測ると、混雑が原因かどうかの目安になります。具体的な確かめ方は、光回線が遅いときの確認ポイントにまとめています。

電話勧誘での契約には注意

国民生活センターは2026年7月、光回線サービスの電話勧誘トラブルが増えているとして注意を呼びかけました。光回線のトラブル相談のうち約6割が電話勧誘によるもので、契約中の事業者の手続きだと思ったら別の事業者との契約になっていた、といった事例が紹介されています。

突然の電話では事業者名とサービス名を確認し、その日のうちに契約しないことがすすめられています。

よくある質問

Q. 在宅ワークには何Mbpsあれば足りますか?

Web会議だけなら、ZoomやTeamsの公式の推奨値は1台あたり数Mbps程度です(例:Zoomのグループビデオ通話〈720p〉で上り2.6Mbps・下り1.8Mbps)。ただし、家族の同時利用や大きなファイルの送受信がある場合は、その分の余裕を見ておきましょう。

Q. ホームルーターでも在宅ワークはできますか?

使い方や電波の状況によってはできます。ただし、モバイル回線の電波を使うため、建物や時間帯で速度が変わりやすい点に注意が必要です。違いはホームルーターとWiMAXの違い|置き型と持ち運びの選び方でも解説しています。

Q. 10ギガプランは必要ですか?

Web会議の推奨値だけを見れば、1ギガ前後のプランでも最大速度の数字は大きく上回ります。10ギガは、大容量のデータを頻繁にやり取りする人や、家族の同時利用が多い家庭で検討するとよいでしょう。速度を活かすには、10GBASE-T(10ギガ対応の有線LAN規格)のポートやケーブルなど、宅内機器の対応も必要です。

まとめ

  • 在宅ワークでは、映像や画面を送る「上り」の速度と、時間帯を問わない安定性が大切
  • Web会議の公式推奨値は1台あたり数Mbps程度。家族の同時利用も考えて余裕を見る
  • 工事ができるなら光回線を優先し、上りの最大速度・IPv6対応・建物の配線方式を確認する
  • 会社のVPNを使う人は、IPv6(IPoE)の回線での利用可否を事前に確認する

提供エリア内で上りの速度も重視したい人はNURO 光、フレッツ光エリアで解約違約金を気にせず選びたい人はGMO光アクセスが候補になります。乗り換えるときは、今の回線の解約金も確認しておきましょう(ネット回線の解約金のルール|制度改正の上限と契約前の確認ポイント)。

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出典

情報は2026年10月時点の各社公式サイト・公的機関の情報に基づきます。最新情報は公式サイトでご確認ください。