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「カフェや駅のWi-Fiを使うなら、VPNを入れたほうがいいと聞いた。アプリストアには無料のVPNがたくさんあるけれど、無料で大丈夫? それとも有料にすべき?」と迷っていませんか。
総務省の令和8年版 情報通信白書によると、2026年2月に総務省が行った意識調査では、公衆無線LAN(公衆Wi-Fi)を使っていない人の6割程度が、主な理由として「セキュリティ上の不安がある」を挙げています。
この記事は、外出先でスマホを公衆Wi-Fiにつなぐことが多く、初めてVPNアプリを入れようとしている会社員を想定しています。無料VPNと有料VPNの違いと、安全なサービスの見分け方を、公的機関・研究論文・各社公式サイトの情報をもとに整理しました。
この記事でわかること
- 無料VPNと有料VPNの違い(お金の仕組み・安全性・機能)
- VPNを選ぶときに確かめたい5つのポイント
- 有料VPN(NordVPN・MillenVPN)の料金と返金保証の条件
結論:毎日使うなら「運営元と条件が見える」有料VPNを選ぶ
VPN(Virtual Private Network=インターネット上に暗号化された専用の通り道をつくる仕組み)は、あなたの通信をまとめて預かるサービスです。VPNの運営元は、技術的にはあなたがどこに接続したかを知り得る立場にあります。
そのため、無料か有料かよりも、「誰が運営していて、通信の記録をどう扱うかが公開されているか」が大切です。
- 通勤中や外出先で毎日のように使う:運営会社・ログ(通信記録)の扱い・返金条件を公開している有料VPN
- まずは試してみたい:運営元とプライバシーポリシーがはっきりした無料プラン、または有料VPNの返金保証
- 避けたいもの:運営元が分からない、プライバシーポリシーが見当たらない無料VPNアプリ
無料VPNと有料VPNの違い
違いは「どこで収益を得ているか」
VPNを動かすには、世界各地のサーバーや回線の費用がかかります。有料VPNは、利用料金でその費用をまかなっています。
無料VPNの収益の得方は、サービスごとに異なります。主に次のような形があります。
- 有料版への誘導(データ量・速度・接続先などを制限し、有料プランへの切り替えを促す)
- アプリ内の広告
- 利用者に関する情報の活用(プライバシーポリシーで第三者への提供を定めている場合がある)
有料版への誘導や広告のように、仕組みがはっきりしている無料VPNもあります。注意したいのは、収益の仕組みやデータの扱いが説明されていないアプリです。
研究で指摘されたVPNアプリのリスク
2016年の国際会議(ACM IMC)で発表された研究では、Google Playで配布されていたVPN機能を持つAndroidアプリ283個が調べられました(論文はオーストラリアの研究機関CSIROのサイトで公開)。主な結果は次のとおりです。
- 38%のアプリで、ウイルス対策エンジンの1つ以上がマルウェア(不正なプログラム)の疑いを検出した
- 67%のアプリに、利用者の行動を追跡する外部の部品(トラッキング用ライブラリ)が組み込まれていた
- 通信を測定したアプリのうち18%は、暗号化しないまま通り道(トンネル)をつくっていた
- 84%がIPv6(新しい形式のIPアドレス)の通信を、66%がDNS(サイト名を住所に変換する仕組み)の通信を、VPNの外に流していた
10年前の調査なので、今のアプリにそのまま当てはまるわけではありません。ただ、「VPNアプリなら安全」とは限らないことを示すデータです。
公的機関も「入手先」と「中身の確認」を呼びかけ
総務省の公衆無線LANセキュリティ分科会(2017年12月1日)の議事要旨では、出どころの分からない「野良VPNサービス」を減らす必要性や、VPNアプリの入手先を信頼できるサイトに限る考え方が議論されています。
米国の連邦取引委員会(FTC)も2018年2月に、VPNアプリを入れる前に「アプリについて調べる」「求められる権限を確認する」「データが暗号化されるか確かめる」「第三者に情報を共有していないか確認する」よう呼びかけています。
無料と有料の違い一覧
| 項目 | 無料VPN(一般的な傾向) | 有料VPN(一般的な傾向) |
|---|---|---|
| 費用 | 0円(有料版への誘導や広告がある場合あり) | 月額・年額の利用料金 |
| 収益の仕組み | 有料版・広告・データ活用など、サービスにより異なる | 利用料金 |
| データ量・速度 | 上限や制限を設けているものがある | 制限なしとするサービスが多い |
| 接続先の国 | 選べる範囲が限られることがある | 多くの国・地域から選べることが多い |
| 運営元・ログの方針 | はっきりしないアプリもある | 公式サイトで公開しているサービスが多い |
| サポート・返金 | 問い合わせ窓口がない場合がある | サポート窓口や返金保証を設けていることが多い |
VPNの選び方:契約前に確かめたい5つのポイント
1. 運営会社と所在地が分かるか
公式サイトに、会社名・所在地・問い合わせ先が載っているかを見ます。日本の会社なら、特定商取引法に基づく表記(販売者の情報を示すページ)も確認できます。
2. ログ(通信記録)の扱いが公開されているか
「ノーログ(通信記録を保存しない)」をうたうサービスは多くあります。自己申告だけでなく、第三者の監査(外部の会社による確認)を受けているかも判断材料になります。
3. 料金・自動更新・返金保証の条件
有料VPNは、初回だけ割引があり、更新時に料金が上がる形がよく見られます。更新後の料金、自動更新の止め方、返金保証の対象(初回契約だけか、アプリストア経由の購入も対象か)を確かめましょう。
4. 入手先とアプリの権限
アプリは、公式サイトか、公式サイトで案内されている公式ストアのページから入れます。インストール時に、VPNと関係のない権限(連絡先や位置情報など)を求めていないかも見ておきましょう。
5. 使う端末の台数と対応OS
スマホ・パソコン・タブレットで使うなら、同時に接続できる台数と、対応OS(Windows・macOS・iOS・Androidなど)を確認します。
有料VPN2社の比較表
運営元・ログの方針・返金条件を公式サイトで公開している有料VPN2社を比べました(2026年10月16日に各社公式サイトで確認)。
| 項目 | NordVPN | MillenVPN |
|---|---|---|
| 運営 | パナマの法域で運営(親会社Nord Securityはオランダ) | アズポケット株式会社(日本) |
| 料金の例(2年プラン) | ベーシック:月あたり580円(最初の27か月で15,660円) | 月あたり税込396円(税抜360円) |
| 税の表記 | 「消費税が適用される場合があります」と記載 | 税込・税抜を併記 |
| 更新後の料金 | ベーシック:21,960円/年 | 月額950円(税抜) |
| 短い期間のプラン | 1か月・1年プランあり(料金は公式サイトで要確認) | ワンタイムプラン(7日間 税込638円など) |
| 同時接続 | 最大10台 | 台数無制限 |
| 返金保証 | 30日間(初回購入のみ) | 30日間(2年・1年プランの初回契約のみ) |
| ログの方針 | ノーログ方針。第三者監査を6回受けたと公表 | 公式サイトで「ログを保存しない」と案内 |
NordVPNの特徴
NordVPNは海外の事業者が提供するVPNです。公式サイトによると、1つのアカウントで最大10台の端末を同時に保護でき、225以上のロケーションにサーバーがあります。
料金(2年プランの場合)
- ベーシック:月あたり580円(最初の27か月で15,660円)、更新後は21,960円/年
- コンプリート:月あたり680円(最初の27か月で18,360円)、更新後は34,680円/年
- エリート:月あたり980円(最初の27か月で26,460円)、更新後は45,960円/年
公式の料金ページには「消費税が適用される場合があります」と書かれています。実際の請求額は申込画面で確認してください。2年プランは「+3か月延長」がつき、最初の支払いは27か月分です。
VPNだけ使うならベーシック、ウイルス対策・広告ブロック・パスワード管理などもまとめたいならコンプリート以上、という分け方です。固定IP(いつも同じIPアドレスを使える機能)はエリートプランに含まれます。
ログの方針と第三者監査
NordVPNは、ノーログ方針について監査法人Deloitte(リトアニア)の確認を受けたと公表しています。公式ブログによると、2025年11月10日〜12月12日に行われたものが6回目です。
向いている人・注意点
- 向いている人:スマホとパソコンなど複数の端末で使い、ウイルス対策などもまとめたい人
- 注意点:割引は初回の契約期間だけで、更新後は料金が上がる
- 注意点:返金保証は初回購入が対象。App Storeで購入した場合の返金はAppleへの申請になる
プランの違いはNordVPNの料金と使い方|3プランの違いと30日間返金保証の条件で詳しく解説しています。
MillenVPNの特徴
MillenVPNは、日本のアズポケット株式会社が提供するVPNです。公式サイトでは、世界140か所以上・2,000台以上のサーバーを使えること、端末の台数無制限で同時に使えること、ログを保存しないことが案内されています。
料金
- 2年プラン:月あたり税込396円(税抜360円)
- 1年プラン:月あたり税込594円(税抜540円)
- 更新時:月額950円(税抜)
- ワンタイムプラン:7日間 税込638円、15日間 税込1,078円、30日間 税込1,738円
2年・1年プランの月額は一括払いしたときの月あたりの料金で、自動更新です。割引は初回だけです。ワンタイムプランは期間を区切って使うプランで、返金保証の対象外です。
返金保証の条件
公式サイトから申し込んだ2年・1年プランの初回契約が対象で、利用開始日の翌日から30日以内(日本時間)に申請します。クレジットカードやPayPalで払った場合は、解約手続きで返金保証の適用を選びます。銀行振込での返金は、手数料330円(税込)が利用者の負担です。
向いている人・注意点
- 向いている人:日本の会社が運営するVPNを選びたい人、家族の端末にもまとめて入れたい人
- 注意点:更新時は月額950円(税抜)になる
- 注意点:利用規約で、法令に違反する行為や第三者の権利を侵害する行為などが禁止されている
詳しくはMillenVPNの特徴|日本企業のVPNの料金・プランと返金保証をご覧ください。
無料VPNを使うときの注意点
費用をかけずに試したい場合も、次の点を守るとリスクを下げられます。
- 運営会社・所在地・プライバシーポリシーが公開されているものを選ぶ
- アプリは公式サイトや、公式サイトで案内された公式ストアのページから入れる
- VPNと関係のない権限を求めるアプリは入れない
- ネットバンキングなど大事な手続きは、信頼できると判断できるまでそのVPNで行わない
- 使わなくなったアプリは削除する。有料版に切り替えたら自動更新の設定も確認する
たとえばProton VPNは、無料プランについて、データ量の制限がないこと、広告がないこと、ノーログ方針であることを公式サイトで案内しています。複数の端末で使うには有料プランが必要とされています(当サイトの広告ではありません)。
VPNを使っても防げないこと
VPNは通信の通り道を暗号化する仕組みで、すべての危険を防ぐものではありません。総務省の「公衆Wi-Fiの安全な利用に向けて 簡易マニュアル(Wi-Fi利用者向け)」(令和7年2月版)では、次のような基本の対策が挙げられています。
- 接続先のSSID(Wi-Fiの名前)が、提供者の案内と同じか確かめる
- IDやパスワードを入れる画面では、URLが「https://」で始まるか確かめる
- 「接続が安全ではありません」などの警告が出たら、IDなどを入力しない
- パスワードの使い回しを避け、二要素認証(パスワードに加えてもう1つの確認を行う仕組み)を使う
偽サイトにIDやパスワードを入力してしまえば、VPNを使っていても情報は盗まれます。VPNは、こうした基本の対策に上乗せするものと考えましょう。
また、動画配信サービスの中には、利用規約で配信地域の外からの利用を禁止しているものがあります。VPNで接続する国を変えて視聴する使い方は、各サービスの規約を確認し、違反しない範囲にとどめてください。海外での利用は海外から日本の動画を見る方法とVPN比較|規約の注意点も解説で整理しています。
よくある質問
Q. 無料VPNはすべて危険ですか?
A. すべてが危険というわけではありません。運営元・収益の仕組み・ログの扱いを公開している無料プランもあります。一方で、運営元が分からないアプリは避けたほうが安心です。
Q. 有料VPNなら安心して使えますか?
A. 有料でも、運営元・ログの方針・返金条件の確認は必要です。また、VPNは偽サイトやウイルスそのものを防ぐ仕組みではありません。HTTPSの確認やOSの更新などの基本の対策も続けましょう。
Q. 有料VPNを試してから決めることはできますか?
A. NordVPNとMillenVPNには、どちらも条件付きの30日間返金保証があります。対象は初回契約だけで、MillenVPNのワンタイムプランは対象外です。申請の期限と手順は公式サイトで確認してください。
Q. 自宅のWi-FiでもVPNは必要ですか?
A. 自宅では、まずルーターの設定を見直すことが先です。総務省は「自宅Wi-Fi利用者向け 簡易マニュアル」(令和7年2月版)も公開しています。VPNは、外出先で公衆Wi-Fiを使う機会が多い人ほど役立ちます。
まとめ
- VPNは通信をまとめて預けるサービス。料金より「運営元とログの扱いが公開されているか」で選ぶ
- 無料VPNは収益の仕組みがサービスごとに違う。運営元が分からないアプリは避ける
- 研究では、VPNアプリにマルウェアの疑いや通信の漏れが見つかった例が報告されている
- 毎日使うなら、条件を公開している有料VPNが候補。NordVPNは多機能なプランがあり、MillenVPNは日本の会社が運営
- VPNを使っても、HTTPSの確認やパスワード管理などの基本の対策は欠かせない
料金やキャンペーンは変わることがあります。申込前に、公式サイトで最新の内容を確認してください。
出典
情報は2026年10月時点の各社公式サイト・公的機関の情報に基づきます。最新情報は公式サイトでご確認ください。
- 総務省 令和8年版 情報通信白書「無線LANセキュリティに関する動向」:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r08/html/nd21a230.html
- 総務省「無線LAN(Wi-Fi)の安全な利用(セキュリティ確保)について」:https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/cybersecurity/wi-fi/
- 総務省「公衆Wi-Fiの安全な利用に向けて 簡易マニュアル Wi-Fi利用者向け」(令和7年2月版):https://www.soumu.go.jp/main_content/000989921.pdf
- 総務省 サイバーセキュリティタスクフォース 公衆無線LANセキュリティ分科会(第2回)議事要旨:https://www.soumu.go.jp/main_content/000527167.pdf
- 米国連邦取引委員会(FTC)「FTC Provides Tips for Using VPN Apps」(2018年2月22日):https://www.ftc.gov/news-events/news/press-releases/2018/02/ftc-provides-tips-using-vpn-apps
- Ikram ほか「An Analysis of the Privacy and Security Risks of Android VPN Permission-enabled Apps」(ACM IMC 2016):https://research.csiro.au/isp/wp-content/uploads/sites/106/2016/08/paper-1.pdf
- NordVPN 料金:https://nordvpn.com/ja/pricing/
- NordVPN ヘルプ(返金ポリシー):https://support.nordvpn.com/hc/en-us/articles/19476991311121-What-is-your-refund-policy
- NordVPN ヘルプ(拠点):https://support.nordvpn.com/hc/en-us/articles/19441152966161-Where-is-NordVPN-based
- NordVPN ブログ(6回目のノーログ監査):https://nordvpn.com/blog/nordvpn-no-logs-assurance-engagement-2025/
- MillenVPN 公式サイト:https://millenvpn.jp/
- MillenVPN ご利用料金:https://millenvpn.jp/pricing/
- MillenVPN ヘルプ「30日間返金保証制度について」:https://support.millenvpn.jp/30
- MillenVPN 利用規約:https://millenvpn.jp/tos/
- Proton VPN「無料VPNと有料VPNの比較」:https://protonvpn.com/ja/free-vpn/free-vs-paid


