公衆Wi-Fiを安全に使うには|VPNの役割と接続前の確認ポイント

公衆Wi-Fiを安全に使うには|VPNの役割と接続前の確認ポイント

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カフェやコワーキングスペースのフリーWi-Fiで、取引先とのメールやクラウドの資料を扱うとき、「この通信、だれかに見られていないかな」と不安になることはありませんか。

総務省が2026年2月に、日常的に無線LANを使う人を対象に行った調査では、公衆無線LAN(公衆Wi-Fi)を利用している人は48%でした。利用していない人の理由で最も多かったのは「セキュリティ上の不安」(65%)です。また、公衆Wi-Fiの利用者の60%が、偽のアクセスポイント(本物になりすましたWi-Fiの電波)の問題を「知らなかった」と答えています。

この記事は、外出先のフリーWi-Fiで仕事をすることが多いフリーランスの方に向けて、総務省とIPA(情報処理推進機構)の資料をもとに、確認ポイントとVPNで守れる範囲を整理しました。

この記事でわかること

  • 公衆Wi-Fiで起こりうる被害と、接続前・接続中に確かめる5つのポイント
  • Wi-Fiの暗号化・HTTPS・VPNが、それぞれどの区間を守るのか
  • 公衆Wi-Fi用にVPNを選ぶ基準と、NordVPN・MillenVPNの料金と条件

結論:まず「接続先」と「HTTPS」を確認し、VPNで守りを足す

  • VPNより先に確かめること:つなぐWi-Fiが本物か(SSID)、見ているサイトが正しいURLのHTTPSか、パソコンの共有設定がオフか。この3つは、総務省のマニュアルで基本の対策として挙げられています。
  • VPNが役立つ場面:暗号化キーを不特定多数で共有するフリーWi-Fiや、暗号化のないWi-Fiを使うとき。端末からVPNサーバーまでの通信をまとめて暗号化できます。
  • VPNでも防げないこと:偽サイトにIDやパスワードを入力してしまう被害や、ウイルス感染そのものは防げません。

VPN(仮想プライベートネットワーク:通信を暗号化し、VPN事業者のサーバーを経由してインターネットにつなぐ仕組み)は、確認ポイントの「代わり」ではなく、確認ポイントに「上乗せする守り」と考えましょう。

公衆Wi-Fiで起こりうること

総務省の「公衆Wi-Fi利用者向け 簡易マニュアル」(令和7年2月版)では、次のような被害の例を挙げています。

  • 暗号化キー(Wi-Fiのパスワード)が不要なので、初めて見るSSID(Wi-Fiのネットワーク名)に接続した
  • URLを確かめずに、SNSのIDとパスワードを入力した
  • 偽の公衆Wi-Fiに接続していて、SNSのIDとパスワードを盗まれ、不正な投稿をされた

暗号化されたWi-Fiでも油断はできません。マニュアルによると、WPA2パーソナル(接続する全員が同じ暗号化キーを使う方式)は、キーを知る人なら通信の傍受や、同じSSIDとキーでの偽アクセスポイントの設置ができてしまいます。そのため公衆Wi-Fiでは、暗号化なしと同じように注意して使うよう求めています。

接続前・接続中に確かめる5つのポイント

総務省のマニュアルをもとにした、VPNの有無にかかわらず共通の確認ポイントです。

1. SSIDと提供者を確かめる

お店や施設が案内しているSSIDと一致しているかを、ステッカーや案内表示で確かめます。提供者が分からないものや不審なものには、暗号化キーが不要でもつながないようにしましょう。偽のWi-Fiは、以前使ったSSIDを名乗ることもあるため、見覚えがあるだけで安心しないことも大切です。

2. セキュリティ方式を確かめる

マニュアルが推奨しているのは、WPA3かWPA2です(WPA2の場合は、暗号化方式にTKIPではなくAESを使うもの)。

「セキュリティなし」やWEP(短時間で解読される方法が知られている古い方式)のWi-Fiでは、個人情報やログイン情報の入力を避け、周りに見られても困らない用途にとどめます。

3. URLとHTTPSを確かめる

アドレスバーのURLが正しいか、「https://」で始まり鍵マークが表示されているかを確認します。HTTPSでも本物に似せた偽のURLがあるため、URL全体を見ることがポイントです。「接続が安全ではありません」などの警告が出たら、IDやパスワードは入力しないでください。

4. 自動接続をオフにする

マニュアルでは、自宅や職場など普段使うSSID以外は、自動接続の設定を無効にするよう勧めています。知らないうちに偽のWi-Fiにつながるのを防ぐためです。

5. パソコンの共有設定をオフにする

公衆Wi-Fiには、同じWi-Fiにつないだ端末どうしが通信できるものもあります。共有フォルダの無効化や認証の有効化を、利用者側でもしておきましょう。

あわせて、パスワードの使い回しを避け、二要素認証(パスワードに生体認証などを組み合わせる方式)を使うことも勧められています。

VPNの役割:どこからどこまでを守るのか

同じ「暗号化」でも、仕組みによって守られる区間が違います。総務省のマニュアルとIPAの資料をもとに整理すると、次のとおりです。

仕組み 暗号化される区間 ポイント
Wi-Fiの暗号化(WPA2・WPA3など) 端末〜Wi-Fiのアクセスポイント 無線の区間だけ。キーを共有する方式では、キーを知る人に傍受されるおそれがある
HTTPS ブラウザ〜閲覧先のWebサーバー Wi-Fiが暗号化されていなくても、そのサイトとの通信は守られる。サイトごとに確認が必要
VPN 端末〜VPN事業者のサーバー 端末の通信をまとめて暗号化できる。VPNサーバーから先は、HTTPSなど接続先側の暗号化による

IPAの資料「公衆無線LAN利用に係る脅威と対策」(2016年3月)は、VPNの利用を推奨しています。暗号化方式やサイトのHTTPS対応を毎回気にしなくても盗聴対策ができ、悪意のあるアクセスポイントにつないでしまった場合にも有効だからです。

一方、総務省の令和7年2月版マニュアルにVPNの記載はなく、HTTPSを必須の対策としています。VPNを使っていても、URLとHTTPSの確認は続けましょう。

VPNを使っても防げないこと

  • 偽サイト(フィッシングサイト)に、自分でIDやパスワードを入力してしまうこと
  • 端末がすでにウイルスに感染している場合の、情報の流出
  • VPN事業者による通信の扱い(VPNを使うと、通信の経路をその事業者に預けることになります)

そのため、VPNは運営元がはっきりしたサービスを選びましょう。詳しくは無料VPNと有料VPNの違い|安全性の確かめ方と選び方で解説しています。

公衆Wi-Fi用にVPNを選ぶ5つの基準

  1. 運営会社が分かるか:会社名や問い合わせ先を公式サイトで確認できるか。
  2. 自動接続ができるか:Wi-Fiにつなぐと自動でVPNがつながれば、つなぎ忘れを防げます。
  3. キルスイッチがあるか:キルスイッチ(VPNが切れたときに通信を止める機能)があれば、暗号化されないまま通信が続くのを防げます。
  4. 何台で使えるか:パソコンやスマホなど、使う台数に足りるか。
  5. 更新料金・返金条件:今回の2社の1年・2年プランは、どちらも自動更新です。

国民生活センターは、サブスク(定期的に料金を払う契約)のトラブルについて、申し込む前に事業者名・サービス内容・解約方法を確認するよう呼びかけています。初回の料金だけでなく、更新後の料金と返金保証の条件まで見てから選びましょう。

NordVPNとMillenVPNの比較表

以下は、2026年10月19日に各社の公式サイトで確認した内容です。

項目 NordVPN(ベーシックプラン) MillenVPN
運営 Nord Security(公式サイトの著作権表記) アズポケット株式会社(日本の会社)
長期プランの初回料金 2年プラン:月あたり580円(最初の27か月で15,660円) 2年プラン:月額360円(税込396円)
更新後の料金 21,960円/年 月額950円+税
短期のプラン 1か月プラン:2,280円/月 ワンタイム7日間:580円(税込638円)
税の表記 「消費税が適用される場合があります」 税抜・税込を併記(更新時は税抜表記)
同時に使える台数 最大10台 制限なし(公正利用ポリシーの範囲内)
返金保証 30日間 2年・1年プランは30日間(条件あり)。ワンタイムは対象外
自動接続 あり(Windows・macOS・iOS・Androidなど) 公式サイトで要確認
キルスイッチ あり(OSによって仕組みが異なる) iOSアプリはApp Storeの更新履歴で追加を案内。そのほかは公式サイトで要確認

NordVPNの公式サイトを見る

MillenVPNの公式サイトを見る

NordVPNの特徴

NordVPNは世界で展開しているVPNサービスで、公式サイトでは225以上のロケーションのサーバーから選べると案内しています。1つのアカウントで最大10台を同時に保護できます。

公衆Wi-Fiで役立つ機能

  • 自動接続:公式ヘルプによると、Windowsでは「Wi-Fi」などの条件を選んで自動接続でき、iOSでは「常時」か「Wi-Fiのみ」を選べます。自宅などは「信頼済みネットワーク」に登録して対象外にできます。
  • キルスイッチ:VPNが切れたときに、通信を遮断したり指定したアプリを終了したりする機能です。仕組みはOSごとに異なり、Windowsのアプリキルスイッチは初期設定ではオフです。

料金(2026年10月19日時点)

契約期間 ベーシックプランの料金
2年プラン 月あたり580円(最初の27か月で15,660円)
1年プラン 月あたり880円(最初の12か月で10,560円)
1か月プラン 2,280円/月
更新価格(1年・2年) 21,960円/年

料金ページには「消費税が適用される場合があります」と表示されています。最終的な支払額は購入画面で確認してください。上位のコンプリート(2年プランは月あたり680円)とエリート(同980円)はウイルス対策などが加わるプランで、公衆Wi-Fi対策ならベーシックで足ります。

向いている人

  • パソコンとスマホなど、複数の端末で使いたい人
  • Wi-Fiにつないだら自動でVPNをつなぎたい人

注意点

  • 1年・2年プランの割引は最初の契約期間だけです。ベーシックの更新後は年21,960円です。
  • 返金保証の扱いは、購入した場所(公式サイトかアプリストアかなど)で異なる場合があります。

詳しくはNordVPNの料金と使い方|3プランの違いと30日間返金保証の条件をご覧ください。

NordVPNの公式サイトを見る

MillenVPNの特徴

MillenVPNは、日本のアズポケット株式会社が運営するVPNサービスです。公式サイトでは、世界140か所以上に2,000台以上のVPNサーバーを設置していると案内しています。

Windows・macOS・iOS・Android・Amazonデバイスに対応し、同時に使える端末の数に制限はありません(公正利用ポリシーの範囲内)。

料金(2026年10月19日時点)

プラン 料金(税抜/税込) 返金保証
2年プラン 初回 月額360円/396円。更新時 月額950円+税 30日間
1年プラン 初回 月額540円/594円。更新時 月額950円+税 30日間
ワンタイム 7日間 580円/638円 なし
ワンタイム 30日間 1,580円/1,738円 なし

2年・1年プランの月額は、契約期間分を一括で払う場合の月あたりの料金です。公式サイトでは「2年、1年プランは自動更新プラン」と案内されています。

30日間返金保証の条件

  • 対象は公式サイトから申し込んだ2年・1年プラン。ワンタイムプランや更新されたプランは対象外
  • 期間は、利用開始日(決済完了日)の翌日から30日以内(日本時間)
  • 銀行振込で払った場合は、サポートへの問い合わせが必要で、返金手数料330円(税込)がかかる

向いている人

  • 日本の会社が運営するVPNを選びたい人
  • 出張や旅行の数日だけ使いたい人(ワンタイムプラン)

注意点

  • 2年・1年プランの割引は初回のみで、更新時は月額950円+税になります。
  • ワンタイムプランは返金保証の対象外です。

詳しくはMillenVPNの特徴|日本企業のVPNの料金・プランと返金保証をご覧ください。

MillenVPNの公式サイトを見る

よくある質問

スマホのモバイル通信(4G・5G)なら安心ですか?

IPAの資料は、重要な情報を入力する場合は携帯電話回線を使うなど、通信の内容に応じて公衆無線LANを使うか判断するよう勧めています。ネットバンキングなどは、モバイル通信で行うのも1つの方法です。

HTTPSのサイトしか見ないなら、VPNはいりませんか?

HTTPSのサイトでは、ブラウザとサイトの間の通信が暗号化されるため、確認を徹底できればリスクは下がります。ただし、IPAの資料は、毎回の確認は手間がかかるとしてVPNの利用を推奨しています。また総務省のマニュアルは、メールソフトなどブラウザ以外のアプリは、通信の暗号化を利用者が判断しにくいと指摘しています。

災害時に出てくる「00000JAPAN」は使っても大丈夫ですか?

00000JAPANは、災害時などに無料で開放される公衆Wi-Fiです。総務省のマニュアルでは、認証も暗号化もないため、安否確認など必要最小限の利用にとどめるよう求めています。

まとめ

  • 公衆Wi-Fiは、SSID・セキュリティ方式・URLとHTTPS・自動接続・共有設定の5点を確かめてから使う
  • VPNは、端末からVPNサーバーまでの通信をまとめて暗号化できる「追加の守り」。偽サイトへの入力やウイルス感染は防げない
  • VPNは、運営元・自動接続・キルスイッチ・台数・更新料金と返金条件で選ぶ

自動接続やキルスイッチを複数の端末で使いたいならNordVPN、日本の会社が運営するサービスや数日だけのプランを選びたいならMillenVPNが候補です。どちらも更新後の料金まで確認してから申し込みましょう。

NordVPNの公式サイトを見る

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出典

情報は2026年10月時点の各社公式サイト・公的機関の情報に基づきます。最新情報は公式サイトでご確認ください。